黙って月に帰らないで
まちがってこの世界に落ちてしまった天使なのだと、あなたのことを思う。
翼が折れてしまったのか失ってしまったのかは分からないけれど、とにかく1995年の7月のついたち、夏のはじまり、あなたは地上で生きることになって、呼吸をし足を動かしまばたきをし、心臓を鳴らさなきゃしんでしまう人間になったのでしょう。
月から落ちてしまった時あなたの翼は傷ついてしまいませんでしたか?地球の風はあなたには少し薄くありませんか?人間の心臓のかたちはあなたには醜く映りませんか?
춤을 춰 하늘이란 수영장 그 공간 안에서 차가운 공기 맞닿은 내 입술 얼얼해
不意にインスタに潜ってどこにいるのと誰かにメソついたり、お酒に呑まれて頬が赤くなったり、そんな時にひかりを、つまりは月を思い出すのだろうかと少し気がかりになる。あるいは、コンサートの時なんかに。てよんさんはたくさんのことを、してあげられない申し訳ないって言うけれどその時脳裏に浮かぶのは折れてしまった翼への渇望かもしれない。
辛い出来事があった時にタトゥーを入れた、とてよんさんはいつだか言っていて、それは言い換えれば、つらかった、痛かった思いをそのままインクに溶かして刻み込んでいるようにも思えた。脈打つお腹の上で泳ぐ鯨に、左腰にでっかく居座るアトムに、心臓を祀るように絡み合う龍に、ひとつひとつ見ればてよんさんが身体で生命を飼っているようでとても美しく思えるけれど、それを聞いたらなんだかいたたまれなくなる。肌に刻み込まれた消えない証は、彼が今地続きの世界で苦痛を感じることもあると、否応なしに思い起こさせる。
あ〜〜〜〜〜〜、ね、てよんさん、こんなこと言ってもどうしようもないけれど、この世界はあまりにも貴方には汚れてみえるかもだけど、貴方がそれを刻むのは、綺麗な景色を見た時で、心地よい風を感じた時で、確かな愛に触れた時であってほしい。美しくてやわらかくてかわいいそんなきずであってほしい。なぞれば後悔じゃなくて歌が飛び出してほしい。You'll be fine 나도 괜찮아질 거야 fine、貴方もそう歌うじゃない、それって本当だからでしょう?
世界 いてよんのために美しくかわいくあろうよ
天使は、諦めてもいい、うまくできなくてもいいと私たちに伝える。人より諦めることもうまくできないことも許されない世界で生きるひとは、それでもだいじょうぶになると私たちに微笑む。
その度に私は救われて愛おしくてやっぱり少し気がかりになる。ひとに与えただいじょうぶの分増えた跡が重みになって、無くした翼に泣く時に、貴方は月に帰ってしまわないでしょうか。
どうか、黙って月に帰らないで。貰った分を返すこともできずに祈る、のではなく、ただ駄々をこねる。ごめんなさい、帰ったっていいの(よくはない!)、でもさよならの言葉がほしい。
ふと思い出す、コンサートの時、間近で見れたテヨンさんは、そこだけ鮮明で輝いていて、でも確かにひとで、うん私だって、あなたが天使ではなくて確かに着実に大きくなり小さくなり歳をとることをちゃんとわかってるよ、それでもそう思わせてほしいの。
だって、人間だとくくられて生きるにはあんまりにもひかってるじゃない。
(私、ヨンホさんが「月から落ちた時痛くなかった?」ってあなたに問いた時すごく腑に落ちた感触があったんです。)
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テヨンさん、お誕生日おめでとうございます!
おたくは、傷がかさぶたになってはがれた後にしか笑って話せる相手になれないかもしれないけれど愛することはずっとできてとくいです。
おいしいものも綺麗な景色も今日は世界に降る(星はあなたを祝福してる)、これからもあなたに降る、あなたの誕生日はその約束の日だと私はずっと祈ってます。
ほかほかごはん いつだっててよんさんのそばにあれ……⸝⸝⸝⋆
제발
2023.7.1